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『古内東子。 いいうたを見直せる今の時代こそ、品よく響く恋の歌』
90年代半ば。20?30代の女性を中心に、恋愛の絶妙な心理を自分のことばで丁寧に描く歌詞に共感する声が高まり、96年に2「誰より好きなのに」でブレイクした古内東子。あの頃FM局はそんないい歌手を紹介せんと、頻繁に彼女のうたを流していました。でもその楽曲たちは、バブリーな時代が終り確かなうたのよさを見直せる今の時代だからこそ、当に着目すべき時なのではないでしょうか。生き馬の目を抜くようなJPOPシーンでも、時流に流されずしっかりと自らの個性で独歩するいいアーティストなのですから。
一方でR35やAround40のシーンには当にフィットするんじゃないかなとも思います。うたごえが当時から落ち着きとしなやかさの両方を兼ねており、そして飾らない音色ながら自然な切なさも秘めているので、大人の耳にこそ映える品の良さがあるからです。因みに2は最近Soweluがカバーし、彼女のこえを知れた女の子たちの世代にも、そのうたのよさはちゃんと根付いていたんだなと思わせました。
また彼女のうたは、スマートでスリムなメロディが心地よいんですよね。サウンドも柔らかさとクールさを兼ねたラウンジ系で、生楽器のスムースさを大切にするので非常にいい音ですよ。時流から超然とした音作りは普遍性があり、今作が98年の発表だとはとても思えません。
歌詞、こえ、メロディ、サウンドと古内東子の音楽には非常に品があります。そして最も忘れてはならないのは、恋という魔法を年齢をこえてかけてくれる音楽(これも魔法)ということですね(8、9など)。アンチエイジングというか、大人の女性に恋の気持ちを忘れさせない、綺麗さを保たせる音楽。これはなかなか稀有だと思います。
これから音楽とゆっくり向かい合おうという人には、古内東子のうたは自分のからだに健やかに馴染んでゆくうたになるでしょう。大人になるほど彼女のうたのよさに気付く素敵さがあります。
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