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『20世紀音楽において無伴奏ヴァイオリンが占める位置』
最近(2006年)、無伴奏ヴァイオリンの為の曲を作曲した日本の或る作曲家に依ると、無伴奏ヴァイオリンの為の作品は、作曲家にとって、実は、作曲する事に勇気を要するジャンルなのだそうである。その理由は、結局、バッハの作品を作曲家が意識してしまふからの様である。だが、イザイやバルトークの作品を挙げるまでも無く、無伴奏ヴァイオリン曲と言ふジャンルは、現代作曲家にとって、無限の可能性を秘めたジャンルではないかと思はれる。
このCDを聴いて感じた事は、クレーメルが、その無伴奏ヴァイオリンと言ふジャンルに抱く愛情と情熱の深さである。このCDには、ミルシテイン(1904?1992)、シュニトケ(1934?1998)、エルンスト(1814?1865)、ロックバーグ(1918?)の無伴奏ヴァイオリン曲が収められて居るが、エルンストを除けば、皆、20世紀の作曲家ばかりである。私にとっては、どれも初めて聴く作品ばかりであったが、上に引用した(日本の)作曲家の言葉にも関はらず、20世紀の作曲家達が、その無伴奏ヴァイオリンと言ふ困難なジャンルに挑戦して来た軌跡が辿れて、興味深く、印象的であった。ミルシテインがこんな曲を作曲して居たとは知らなかったし、ロックバーグのカプリース変奏曲はとても面白い曲であった。無伴奏ヴァイオリンと言ふジャンルの深さを再認識させてくれる、素晴らしいCDである。
(西岡昌紀・内科医)
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