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![人間魚雷回天 [DVD]](http://ecx.images-amazon.com/images/I/21GKFC69E9L._SL75_.jpg)
『現実みある映画』
太平洋戦争が終って、荒廃した国土の再建もやっと軌道に乗り出した1955年に作成された白黒映画である。まだ、あの戦争の傷口が生々しくある時代、遺族の方々もまだ大勢生きておられたと思う。そんな戦争の記憶の浅い時代に、この映画、「回天」なる「人間魚雷」についての実話を基にした物語が語られた。回天とはいったいどのようにしてその戦法が行なわれ、特攻隊員たちは訓練していたのかなどがこの映画から分る。回天特攻隊とされた海軍予備学生(20歳から22歳の大学生たち)と海軍予科練(17歳から19歳ころの少年兵たち)の運命が描かれている。
回天は、一見潜水艦のように見えるが、これはあくまでも魚雷という武器であるから、人間がそこに存在するに必要な設備はいっさいない。魚雷の中は、恐ろしく狭く、暗く、寒い。要するに一人用のお棺であった。そんな物に、青春の真っ只中にいた若者たちが押し込められ、敵米戦艦目掛けて爆弾の一部となり、命を落していった。海中の特攻は、なぜだろう、空や海上の特攻よりも遥かに残酷な気がしてならない。多分、それは海中の特攻隊員である彼らには、死からの逃避が完全に閉ざされていたからであろう。空や海上の特攻であれば、逃げ場は少なからずしもあった。そして、そういう記録も残っている。しかし、回天搭乗員たちには、それが無かった。
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