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『人生の転機を大切に、第二の人生を生きるもいいか』
着眼点、まとめ方がいい。この著者、作家生活の前は編集者であったことによるのか。「第二の人生」とよく言われるが、28人を選んで〈分類〉している。
〈1〉華やかなりし第二の人生…平賀源内・伊能忠敬・松浦静山・田中正造・新村出
〈2〉立場が変わった第二の人生…間宮林蔵・榎本武揚・清水次郎長・服部半蔵
〈3〉名前を変えた第二の人生…佐藤義清→西行・桂小五郎→木戸孝允・斎藤一→藤田五郎・ラフカディオ・ハーン→小泉八雲・阿部定→吉田マサ子
〈4〉逆転勝ちした第二の人生…新井白石・杉田玄白・葛飾北斎・ジョン万次郎・江戸川乱歩・甘粕正彦
〈5〉二足の草鞋をはいた第二の人生…細川重賢・二葉亭四迷・森鴎外・柳田国男・清少納言
〈6〉悠々自適の余生を送った第二の人生…宇喜多秀家・徳川慶喜・石原莞爾
それぞれにターニングポイントがある。それを意識しない場合もあろうし、並列の形で生きている場合もあって一概には言えない。ただ、一途に一筋の道を驀進したのではなく、転機を大切に一回しかない人生を二回も三回も生きている〈私見では〉「ぜいたくな人たち」である。人生やり直しはきかないが、人より二倍も三倍も実質的に生きられる。苦難の前半生があったから、栄光の後半生が生じているとも言えよう。その転機が人によって定かではない。
たとえば、西行は北面の武士でありながら、しがらみを捨て翻然と出家したのか、その理由は分からない。それは西行自身の信念に基づくもので歌人として秀作を後世に遺した功績を思えば、先見の明ある「賢明な選択」であつたと言える。
本書には「敗れても、流されても、気楽に生きるほうがいい」という、隠遁的セカンドライフを楽しんだ人も挙げられているが、我々が心を打たれるのは「一生現役」で「業績」を残してくれた人である。しかし、本人がそれを楽しめたかどうかが気になるところである。
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