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『今だから名作と呼べる!』
19歳の頃にリアルタイムで聴きました。
今まで聴いたことのない音やリズム、またそれらの音の組み合わせ。しかし何故か懐かしい印象がある、という摩訶不思議なアルバム。
これが久保田早紀としてのラストオリジナルアルバムである。
編曲に人生の伴侶である久米大作氏を迎え、時代を超えた音作りの名作だと、今となってやっと言い切れる。
当時はA面B面のあるLPレコードとしての発売。M1?5はFortessimo Dream,
M6?9はPianissimo Dreamと命名されていた。
常に変化するリズム、耳慣れない音なのに、浮遊し落ち着く感じをあたえる編曲。
リズム、音の展開が読めない「メランコリーのテーブルクロス」。
「月の浜辺ボタンがひとつ」は南国のゆったりとしたリズムが心地よい。
「ねじれたヴィーナス」は新日本紀行か(笑)と思った和的な編曲。
曲間がなく続く「九月のレストラン」は単調な歌い方
「寒い絵葉書」ではリズムパターンの木が軋むような音のヨーロッパぽいリズムが頭から離れなくなる。
Fortessimo Dream では曲間が詰めてあり緊張感がある。
Pianissimo Dream では曲間が十分にとってあり、派手さはないがしっかりと聴かせる。
タイトル曲はポップソングライターの才をダイレクトに開花させた名曲。
「ピアニッシモで…」からは命名通りピアニッシモな雰囲気である。
「フェニキア」「見えない手」は久保田早紀の時々見せる高い丘からというか雲の上から世界を見ているような大きなスケールのある奇を衒わないシンプルなアレンジの曲である。
そう、「見えない手」はフェアウェルコンサートの最後の演奏曲だった。
サウンドの凄さもあるが、久保田早紀の書く詩の歴史観の長さというか世界観は今でも解読できない所も…。そして、その詩の世界観が何か大きなものに包まれている感覚を抱かせるのもまた聴きたくなる一因かもしれない。
そして、滅茶苦茶歌が上手いということはないが、久保田早紀の魅力のある声も聴き手を癒す大きな要因であるのだろう。
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