エアメール・スペシャル(紙ジャケット仕様)〜『久保田早紀着うた・着メロsearch』 久保田早紀

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エアメール・スペシャル(紙ジャケット仕様)
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『ポピュラー音楽の禁断の最高峰』
アルバム全体を通してみれば、相当アーティスティックな音楽が創作されており、巷で言われる「ポップな作品」という視野で本作に接すると戸惑いの印象を受けるのではなかろうか。ポップスというよりはポピュラー音楽を極限まで追求した作品の印象を受ける。初期三作品と比較すると、シンフォニックサウンドは若干影を潜め、フュージョンの色彩が大幅に導入されている。「オレンジ・エアメール・スペシャル」は確かに北米のポピュラーロックを彷彿させる作品であるが、良くも悪くも歌謡曲の土俵では無理がある。そこが魅力でもあるのだが…。ちなみにアルバムは初期三作品を継承したシンフォニック曲「プロローグ」で始まり、間髪いれずに「オレンジ・エアメール・スペシャル」へと遷移する。この展開は、洋楽におけるTOTOのデビューアルバム「宇宙の騎士」の冒頭「子供の凱歌」?「愛する君に」に匹敵するスリリングなものである。アルバム全体を見渡すと「キャンパス街81」など確かにポップでキャッチーな曲も幾つかあるが、芸術性が高い曲が多く、後半のバラードも根底にソウル、ルネサンス、ブルースなどのフィーリングが隠されているなど、一曲一曲を丁寧に大切に創作していることに心を打たれる。この頃の久保田早紀は、売れ線の曲を創作するよう周囲からのプレッシャーが大きかったようだが、どうしても芸術性を捨てきれない久保田早紀が崖っぷちの瀬戸際でポップスというものをあまりに真剣に追求した結果、ポップスと言うよりはポピュラー音楽の禁断の最高峰に上り詰めたのではなかろうか。

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